泡沫ノコイ。
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「ミユ、お父さんが死んだ」
お昼休み、友達とご飯を食べてるといきなりのお母さんからの電話。
結構長生きしたな、と思った。
お母さんとお父さんはあたしが2歳の時に離婚した。
お母さんがあたしを引き取ったけれど、1年に1回くらいはお父さんとも会っていた。
お母さんはそれを嫌がっていたけど、あたしが中学にあがったくらいから何も言わなくなった。
お父さんにガンが見つかったから…
余命1年と言われたお父さんは、宣告されてから2年も生きた。
「それで、どうすんの?」
結構前から病気の事を知っていたのと、あまり父という感じがしないあの人の死に、あたしは自分でも驚くくらい冷静だった。
「お葬式に行くから、学校早退して帰ってきてちょうだい。」
「わかった。」