忘れられないヒト【完】
急に鼓動が速度を上げた。




「一応東京だけど、
出張が多くて転々としてるんだけどね…
とりあえず明日はちょうど小百合のウチの近くにいるから、


よかったらメシでもどう?」



逢える。



小百合は息を飲んだ。

胸が甘い痛みに包まれた。



そして翌日、最寄り駅前の居酒屋で待ち合わせをした。


ほぼ同時に約束の時間の5分前に現れた。


すぐにお互いが分かった。




小百合と祐輔は狭くて薄暗い2人部屋の狭い個室に隣同士に座った。



お酒を注文し、久々の再会に乾杯した。

あの頃と同じように笑い合った。





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