忘れられないヒト【完】
…うち、くる?
ある程度食べてから、
小百合は祐輔に聞いてみた。




「ねぇねぇ祐輔、今は彼女いるの?」



「うん?いないよ、

会社と出張先と自宅の往復って感じだからさ」



「そっかそっか」



「小百合は?」



「いない。


コンビニと喫茶店と自宅の往復って感じだからね」



「そっかそっか」



「じゃあ…手繋いでもいい?」



「え、今?」


「うん。他から見えないし。
昔できなかったし」


そういうと小百合は祐輔の手をそっと握った。



それから数分、無言で手を握っていた。

握った祐輔の手がすこしずつ暖まって来たのを感じた。





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