六等星の一生
 六等星はさらにまた涙して、胸の奥に隠し続けてきた思いを吐き出したのです。
「より強い光で地上を照らそうなどと嘘をもうしました。私は…私は、自分を認められない己の弱さを、その弱さこそを、強い姿や光で覆い隠してしまいたかったのです。一等や二等と強く響く名で…」
 全てを打ち明けた時、六等星はすうっと胸が透けるような、わずかに軽くなったような、そんな気持ちになりました。
 その全てを聞いた一等星は、か細い声で語りかけてくれました。
「お苦しみなさいましたね。ですがそれらもまた、あなたの輝きの力となりましょう。時は迫りましたが、私たちは今こそ力の限り輝き、あの深く青い空のような海に落ちていこうではありませんか」
 六等星は喜びに震えました。
「なんと、そのようにおっしゃって下さるのですか。ありがとう。今こそ私は何の迷いもありません。力の限り輝き、あなたの供となりましょう」
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