六等星の一生
「ああ、どうして天空におわす神々は私の姿をこのようになさったのだろう。私とて志の一つや二つ持っていようものなのに、この小さな光では私が星であるとさえ明らかにできない」
 そう言っていつもなげき悲しむのでした。

 その六等星のそばを、今星の一生を終えた、年かさの流れ星が落ちていこうとしていました。
「お若いの、一体全体何をそんなにもお苦しみなのか」
「流れ星さん、どうぞ聞いてください。私は今、何よりこの身が呪わしくて仕方がないのです。このみすぼらしい光を見てください。このような脆弱な光で、どうして身の証を立てられましょう」
 その六等星の声に、すでに遠くの丘へ落ちていこうとしている流れ星は答えました。
「そんなになげきなさるな。あなたはまだお若い。この宇宙の広さを知れば、いずれその苦しみもうたかたの事と知りましょう」
「ですが、私はどうしてももっともっと輝きたいのです」
 六等星の訴えをすでに聞き届けられない所まで行ってしまった流れ星は、最後に小さく瞬きながら丘へ落ちていきました。
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