ノースマイル





急いでスタッフルームに戻ると、彼女は仰向けになって膝を立てていた。


顔は相変わらず白いけれど、息遣いは落ち着きを見せている。



「どう?タクシー呼ぼうか?」



「すぐ治ります」


さっきの消え入りそうな声ではなく、少ししっかりした声が返ってきた。




彼女のそばにしゃがみ込むと、その顔には涙の流れた跡があった。






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