ピンクの小象と酔っ払いとモノバケ様の物語~「労働の価値」スピンオフ

男は ベティーちゃんに
 せまります。

「ベティーちゃん、
 君の熱いベーゼが
 ほしいのだ」

「いやよ、あんたなんかに
 売らないわ、
 文なし男!」

ツン、と ひと言
 捨てゼリフを 吐いて、
ベティーちゃんは、
 白いタキシードの
  大男の腕に
 逃げ込みます。

輝く
 なめらかなテクスチャー
白地に
 金のピン・ストライプ

クリスタルとゴールドの
 輝きを放つ
 巨大なクロノを
 手首にまいて

ぶ厚い胸の大男が
 うっすらと
 笑みすら浮かべて
 こちらをみます。
白いシルクハットは
 できすぎでしょう。


遠ざかる ふたりの背中を
 男は
 人形をにぎりしめて
 みつめます…

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