ピンクの小象と酔っ払いとモノバケ様の物語~「労働の価値」スピンオフ
2章 おかね
「オマエが
おかね だったらなぁ」
男は なおも
グチを こぼします。
どうして? と 小象が
言うようです。
こくびをかしげた
小象を相手に
ハイボールをすする男は
なおも ゴチるのです。
「オマエが
おかね だったらなぁ…」
太郎さんのところへいったら
コーヒー1200gと
とりかえてくれるかも
しれません。
でも、太郎さんが
小象はいらない と言ったら
オシマイです。
次郎さんのところへいったら
お紅茶600gと
とりかえてくれるかも
しれません。
でも、次郎さんが
小象はいらない と言ったら
オシマイです。
三郎さんのところへいったら
小麦3kgと
とりかえてくれるかも
しれません。
でも、三郎さんが
小象はいらない と言ったら
オシマイです。
「オマエでは
もらえるとは
限らない…」
でも、とりかえるなら、
そのくらいの 値打ちは
あるはずなのです。