きみのて
「わ、わたしも青山さんとでよかったよーっ!」

「美加でいいよ。」

「じゃあわたしのことも栞って呼んでねっ」

「高校一緒の人とかいる?美加いなくてさー。
女子高だったし。」


青山美加子は見た目通りはっきりものを言うタイプだったが、サバサバした性格に好感が持てた。



「栞はサークルとか入んの?」


「軽音楽部に入ろうと思ってるよ。」

「美加はどーしょっかなぁ。」


わたしはサークルは軽音楽部にしようと、この時既に決めていた。

音楽をやりたかった。

理由なんてわからないけど、漠然と、音楽をやりたかった。

理由は後からついてくるものだと思い、今追求するつもりはなかった。

しかし、いずれその理由を知りたいとも思った。
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