きみのて
「俺、別れる気ないから。」


陸は向き直り、また歩き出した。



…今も好きならわたしを見てよ。

ちゃんと見て、好きだと言ってよ…。



惨めだった。

セフレでいいから傍にいたいと言っている自分も、陸に付き合わせている自分も、あまりに惨めでたまらない思いだった。
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