きみのて
温泉へ向かうと、わたしと奈央の貸しきり状態だった。


「すっごい!やったねー!」

岩の露天風呂で泳いでいると、男風呂のほうから笑い声が聞こえてきた。


「栞、具合悪くなったら言ってね?」

「全然大丈夫だよ!」


あれから、わたしの具合はかなりよくなっていた。
最初は温泉ももう入れないと思っていたから、温泉旅行に来ることができて、本当にうれしかった。


体調がよくなって来ると、笑うことも増えた。
ご飯もおいしいし、毎日をとても幸せに感じていた。
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