きみのて
サークルコンパも例によって女子はほとんどいなかったので、同学年の男子がわたしを囲んだ。


高橋君は?
むぅ。来ない。


会場の端っこで、既に顔を赤くしながら先輩と飲んでいる。


わたしには興味なしですか?
俄然、燃えてきた。


先輩達がマヨネーズやビールをかぶったりする中、わたしはめらめらと燃え、高橋君の隣に座った。


「高橋君っ、顔赤いよっ。もう酔った?」

「俺酔ってる?加藤さんは全然平気そうだね?」

「栞だよ。タバコ、マイルドセブンなんだ?」


鈍そうな高橋君に、わかり安すぎるアピール。
吸いかけのタバコを吸ってみる。

高橋君と話していた先輩は、気を利かせて退散。
周囲の誰が見ても高橋君狙いであることはモロバレ。
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