きみのて
「どお?高橋?」


部室で、竹内先輩がわたしに問いかけた。
竹内先輩は軽音部の爽やかノッポ先輩で、わたしが陸狙いだということを知って、同じく軽音部で彼女の香里先輩と共に応援してくれていた。


「いやー、わたしは一生懸命ボールを投げてるんですけど、今のとこガーターって感じですね!」


あれからもデートをしたし、学内でも行動を共にするようになったが、陸との関係は依然として進歩していなかった。


「今日俺ん家で飯食わない?高橋も呼ぶし。」

「行きまっす!」


竹内先輩家へ、香里先輩、陸の他、保先輩、光に米澤がお邪魔することになった。


「ごめんね。なんか高橋誘ったら、光と米澤も来ちゃった。」


竹内先輩がこっそりとわたしに言う。

< 29 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop