きみのて

拓巳に送ってもらって自宅に着いてから、ベットにゴロンと転がる。



拓巳も邪魔をしていたのか。

多分陸にも忠告しているんだろう。

なんとなく、米澤も邪魔をしている気がする。

陸とわたしを遠ざけようとしているというか。



告白してから既に約1か月が経とうとしていた。

陸は相変わらず、わたしの想いに応えるわけでも拒むわけでもなかった。


ベットでうつぶせになっていると、開いたままだった部屋のドアから、ちび太が入ってきた。



「ナァア」


「・・・・・」


「ナァア!」


狸寝入りをするわたしの頭を、ポンポン叩いてくる。

それでも無視していると、少しずつ爪を出して頭を殴る・・・というか、刺してきた。



「痛いよー!ちび太!」



ちび太を振り回してじゃれあっているうちに、わたし達はいつの間にか本当に眠ってしまった。
< 34 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop