きみのて
拓巳に送ってもらって自宅に着いてから、ベットにゴロンと転がる。
拓巳も邪魔をしていたのか。
多分陸にも忠告しているんだろう。
なんとなく、米澤も邪魔をしている気がする。
陸とわたしを遠ざけようとしているというか。
告白してから既に約1か月が経とうとしていた。
陸は相変わらず、わたしの想いに応えるわけでも拒むわけでもなかった。
ベットでうつぶせになっていると、開いたままだった部屋のドアから、ちび太が入ってきた。
「ナァア」
「・・・・・」
「ナァア!」
狸寝入りをするわたしの頭を、ポンポン叩いてくる。
それでも無視していると、少しずつ爪を出して頭を殴る・・・というか、刺してきた。
「痛いよー!ちび太!」
ちび太を振り回してじゃれあっているうちに、わたし達はいつの間にか本当に眠ってしまった。