きみのて
ひとつ、ひとつ
「それで?」
「何が?」
「今まで何人と付き合った?」
「ん~…、4人、かな?」
「一番長くてどの位付き合った?」
「…なんで俺事情聴取されてんの?」
わたし達は講堂の入り口にある長椅子でお昼を食べていた。
講堂の入口は、何かあるときじゃなければあまり人が来ない。
この場所はわたし達のお気に入りの場所になりつつあった。
サークルではわたしも陸もぼちぼちバンドをはじめ、大学生活にも慣れはじめた。
「ところでさ、栞。」
「ん?」
「前竹内先輩ん家でお好み焼きやった時だけど…、保先輩と帰ったよね?覚えてる?」
「うん。」
「その時、何かあった?」
「何かって?」
「…何かされた、とか…。」