きみのて


「ちょ・・・お前なんでジャージ登校なの?」



ジャージを着て大学に来ているわたしに和也が聞く。



「まだ慣れないんだぁ・・・登校に2時間かかるんだよ?
朝めんどいんだよねー。」

「それ、おばさんの発想だよ?」



高校の時は学校までチャリで10分で到着。

ちっとも似合わないセーラー服を着なくてすむようになって、せいせいしたと思っていたけれど、制服は楽で良かった。



「車買って、登下校乗せてよ♪」

「たとえ買っても乗せねーよ。」



あれから授業の受け方について説明があり、今は興味のある授業を自由に見学できる期間であると知らされた。

適当に見学してはいたが、あまり他の子達と接する機会もなく、新しい友達はできていなかった。
< 5 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop