きみのて
「ごめんね、遅れて。」
「・・・もう!陸が遅いから変な奴にからまれるんだよ!?」
「ごめんごめん。」
「今日のご飯、奢りだからね!」
「喜んで。」
陸は笑って言った。
わたしは陸の硬い腕を、ぎゅっと掴んだ。
それからあちこち店をまわって、シルバーがいいだの、文字入りはいやだの、ゴツイやつはムレるだの(笑)言いながら、結局、バーバリーのシンプルなペアリングに決めた。
陸は男子にしては小さめのサイズだったので、まずサイズを探すのに苦労した。
青い小さな石がはめこまれたつや消し加工のリングは、指によく馴染んだ。
ペアリングははじめてだったので、とてもうれしかった。