きみのて

陸と出会って、失恋の傷も癒えつつあった。

葵のことを思い出す時間が減り、陸とどこへ行こうか、何を食べようかとわくわくする時間が増えた。


無造作に渡された葵のリングは、はじめからケースもない。

わたしは封筒にリングを戻すと、引き出しの奥に押し込め、ペアリングにはめこまれた青い石に合わせて青いネイルアートをした。
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