きみのて
病気だとは思わなかったし、病院に行こうとは、思いもしなかった。

サークルで音楽をやっていても、楽しいと思えず、ただ疲れる日々を過ごし、わたしは音楽をやる意味がわからなくなっていた。


バイト中は、お腹の痛みに何度もトイレに立たなければならないことがあり、弱いお腹を疎ましく感じていた。



そんな状態のある朝、鏡を見ると、鼻を囲むように頬が赤くなっていた。

点々と、赤いそばかすのようでもあった。


肌荒れかな・・・。

最近、肌も弱くなったようだった。


わたしの赤い顔に、母が目を留めた。

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