きみのて
その夜、わたしは仮に膠原病という病気だったら、どうしようと考えてみた。

寝たきりになる?20歳で。

この先、何十年も寝たきりの生活。


考えられない。
考えられない。


そんな状態で、何を思って、何のために生きていけばいいのだろう。

食べて、寝るだけの生活。


わたしがそんなふうになるわけない!


ふと鏡を見た。

大き目のピアスが、とれかかっていた。

それを直そうと、手を掛けた。

指はぶるぶると震え、そのままピアスは音を立てて落ちた。

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