きみのて
朝、尋常じゃない量の髪が抜けていたことがあったことを思い出す。

バイトのストレスと片付けて、気にしなかった大量の抜け毛。


わたしは近い将来、歩く力を失ってしまうのだろうか。

膨張する不安に耐え切れず、わたしはケータイを取った。


『わたし、膠原病という病気かもしれないんです。
とても不安です。わたしは歩けなくなってしまうんでしょうか。』

送信。


返事を待った。



こんなことを突然言われて、困ってしまうよね。

なんて言っていいか、わからないよね。

送信してすぐ、送らなければよかったと後悔した。
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