きみのて
わたしは、駅のホームで陸と出会った。
汽車に乗り、少し遠出のデートだった。
晴天のデート日和。
街を歩きながら、気になるものがあればつまみ食い。
「見てーこれジャンボタコ焼き、でかすぎない?」
「俺もう食えないからね。」
楽しかった。
暖かい日差しを眩しく眺めた。
「次、流氷館行きたい!氷点下15度を体験できるらしいよ!」
「いいけど、寒そうだね。」
ふたりで寒い寒い言いながら、氷の滑り台を滑ったりして楽しんだ。
施設の出口にクリオネの水槽があった。
「この端っこにいるクリオネ、やばくない?死にそうなのかな。」
「ほんとだ!やばそう!」
わたしがクリオネを見つめていると、陸がわたしの手を握った。
「ねぇ栞、バイト…無理しないでね、」
「うん?大丈夫だよ?」
陸が不安でいっぱいの目をする。
握られた手が、いつもより遠いような気がした。
一枚、壁を隔てたように、遠く。
汽車に乗り、少し遠出のデートだった。
晴天のデート日和。
街を歩きながら、気になるものがあればつまみ食い。
「見てーこれジャンボタコ焼き、でかすぎない?」
「俺もう食えないからね。」
楽しかった。
暖かい日差しを眩しく眺めた。
「次、流氷館行きたい!氷点下15度を体験できるらしいよ!」
「いいけど、寒そうだね。」
ふたりで寒い寒い言いながら、氷の滑り台を滑ったりして楽しんだ。
施設の出口にクリオネの水槽があった。
「この端っこにいるクリオネ、やばくない?死にそうなのかな。」
「ほんとだ!やばそう!」
わたしがクリオネを見つめていると、陸がわたしの手を握った。
「ねぇ栞、バイト…無理しないでね、」
「うん?大丈夫だよ?」
陸が不安でいっぱいの目をする。
握られた手が、いつもより遠いような気がした。
一枚、壁を隔てたように、遠く。