きみのて
みんな大袈裟だ。

わたしは普通に生活しているじゃないか。


それでもその帰り道、駅のホームでひとり歩いていると涙が溢れてきた。

手摺りを必要としている自分。

電車で立っているのが辛い自分。

なぜ病気だと気付かなかったんだろう。

膝が、病気を教えているかのように熱く痛んだ。

わたしはその場にしゃがみこんだ。

この雑踏の中で、たったひとりの孤独を感じていた。

悲しいとか苦しいとか、そういった言葉ではたとえられないような感情に音もなく、今はただ、泣くことにした。

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