きみのて
病気になってしまったことは仕方がない。


わたしは、気持ちを切り替えて、今後のことを考えた。

ネットで病気のことを調べた。

国が「難病」と指定する病気があるなんて、なってみるまで知らなかった。

実際わたしに何が起こっていくのかはわからないが、大学には事情を話したほうがいいだろうし、バンドも辞めたほうがいいだろう。


一生治らない病気。

これからわたしは、世間に疎外感を感じながら生きていくんだろうな。

腫れ物に触れるかのように接せられて。


それでも仕方がない。

どうすることもできないのだから。


それに、病気を隠し、平常のふりをして生きていくことは、もう無理だった。
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