きみのて
「そっか~。
じゃあ栞が陽に当たらないように、美加の車で駅まで送るね!」


えっ・・・、


聞き間違いかと思った。


そんな聞いたこともないような病気になったのに、美加は怖くないの?

気持ち悪くないの?


「あ…ありがとう。」


しかしそれは聞かなかった。

聞かなかったと言うより、聞けなかった。


そう言葉に出して聞けるほど、まだ現実を受け止められてはいなかった。
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