俺様(王子)彼氏の危ない罰ゲーム!?(逆ハー気味)
不意に、兄貴が俺から退いた。そして、俺の目元を兄貴が手で隠す。



「兄貴?!」



「い~ち、に~、さ~んって言ったら、目あけてね?裕斗」



俺は、分からずただ頷いた。そして、兄貴は俺から離れると数え始めた。



俺は、そのままただ、目を瞑って兄貴が数え終わるのを待っていた。



「……さ~ん」



兄貴が数え終わると、また俺の後ろに誰かが立っていた。



俺は何も考えられない。ただ、生まれて初めて目元から水が溢れた。



それは、世間では涙とも言う。



俺の目元をキレイな指が隠す。



クスッと笑って俺の背中に抱きつくのは、俺の初恋で最後の恋人の静瑠だった。


っ……なんで、涙なんて……



拭っても拭っても、止まらない。あいつの温もりだけで、俺の涙は止まらなくなる。



「っ……グズ……」



「裕斗泣いてるの?!」



静瑠は、驚いた表情で俺の顔を覗き込もうとする。



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