俺様(王子)彼氏の危ない罰ゲーム!?(逆ハー気味)
「わ……たしね?」



そう言って、静瑠は今まで元気だった笑顔は、切ない表情に変わる。



俺は、その声を聞いた瞬間静瑠に駆け寄った。
そして、俺のこの手で力いっぱい静瑠を抱き締めた。



静瑠の手も、俺をぎゅっと抱き締める。いつの間にか、屋上には俺と静瑠の2人っきりだ。



と思ったら、屋上の入り口から兄貴が顔を出した。俺にピースサインを向けて。


それが、終わると今度こそ兄貴は見えなくなった。



「お……ね……ちゃんヒック……に、言われたの」



俺の肩に顔を埋めるようにして、静瑠は言う。俺は、そんな静瑠の頭を撫でながら頷いた。



「わ、私がね?」



「……グズああ……」


「ううっ、裕斗!!」


静瑠はそれ以上言わずに、俺の肩に顔を埋めながら泣いていた。



きっと静瑠も俺のように、ガマンしてたんじゃないかと思い嬉しかった。



人を好きになることって、簡単だと思ってた。普通に会って、普通に話して、普通に遊んで。



そう言うのが、俺の頭にはあったからだ。



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