俺様(王子)彼氏の危ない罰ゲーム!?(逆ハー気味)
無言で、裕斗は私の横を歩く。同じ小幅で歩いてくれている。



何を言えば、良いか話題は見つからない。本当は聞きたいことが山ほどあった。けど、無言の裕斗は怖くて何も言えない。
何も聞けない。



「……なんか話せ」



裕斗が、ぶっきらぼうに口を開いた。



「なんか」



「殴るぞ?」



そう言って裕斗は、私を殴る真似をする。



「裕斗って、裕斗だよね?」



ぴたっと立ち止まると裕斗は、は?と言う表情をした。



「だって、香水がブレンドでそれで……」



「簡単に話せよ!」



簡単って言っても、簡単に……



「裕斗の香水って、セクシーな香りするじゃない?」



「まぁな!俺セクシーだからな」



「だから、甘い匂い混ぜて付けたりしてない?」



「俺がか?」



「うん!」



「知るか!そんなん!セクシーな俺様は、セクシーしかつけねー!」



……じゃあ、あの裕って誰だったんだろ?



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