俺様(王子)彼氏の危ない罰ゲーム!?(逆ハー気味)
裕さんは、私を抱きしめながら牧村くんに話し掛けている。そこに、屋上が開く音がして皆一斉に視線を向ける。



「あ……ゆ……と」



裕斗だった。今日は、お休みだと思ったけど、やっぱり屋上は好きなんだと思った。



クラスに居ないときは、屋上に来ればたいてい屋上に居るのだ。



今日は、カバンを持っている。私に気付くと、裕斗は私を睨みつけた。



私と言うか、私を抱きしめいる裕さんを……



「何してんだ?兄貴」


裕斗は、口を開くなり私に近寄る。そして、私から裕さんを力いっぱいに引き剥がした。



それを見て、余裕そうに裕さんがにっこり笑ってまた、私に引っ付いた。



「きゃ……」



思ったよりも力がある裕さんの腕に、私は声が出た。



「可愛いね?静留ちゃん」



あの甘い声に、一瞬で顔が赤くなる。
裕斗は、私の顔を見ながら顔を歪ませた。



そして、ムリヤリ私の腕を引っ張ると、裕さんは仕方なしに抱きつくのをやめ離してくれる。



そのまま裕斗に腕を掴まれながら私は屋上を後にした。



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