俺様(王子)彼氏の危ない罰ゲーム!?(逆ハー気味)
裕斗は、下を向いてボソボソと続きを話し出した。



「俺の家は、兄貴のようなチャラチャラしたのが、三人居て。オヤジと兄貴と義弟が……でも、昔は感動するドラマとかで、泣いてお笑い番組で笑ったりする普通の家族だったんだ」



「……うん」



「だけど、オヤジの弟……オジサンが死んでからオヤジは変わった。暴力は当たり前。俺のノートも無表情で破るんだ」


震えている肩に手を置くと、裕斗は私の手を強く握り締める。



「オヤジは、双子で……多分、自分も死んだつもりなんだと思う。葬式の時、呟いていたから……俺が死んでるって……」



でも……!と裕斗は付け加えながら続きをまた話し出す。



「ただ、俺は、昔のオヤジに戻って欲しかったっ……っ、だから……俺は俳優になってあの時の、オヤジみたいに泣いて感動させてやりたかった!」



ただそれだけだったんだと、裕斗は呟いた。



「裕斗……」



何を言えば私は、言葉が見つからない。泣きそうになった私の頭を裕斗が、ぶっきらぼうに撫でる。


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