俺様（王子）彼氏の危ない罰ゲーム!？(逆ハー気味)

｢俺の家は、見ての通り八百屋だ。普通の……金なんてなかったし。一番必須の演技なんて、身につける力も金もねぇー｣



裕斗は、真っ直ぐ私に向かって言う。



｢だから、一番簡単に演技が付くような方法を考えたんだよ。自分と違う人間になって、相手を騙す｣



｢……騙す？｣



｢そう……手っ取り早いからな。相手を騙すって事は、演技が必要だ。相手が騙されてるなんて、気付かないようにうまく演じる｣



そこで、裕斗は私から顔を逸らした。



｢お前入れて、八人目だったんだ｣



え？



初め何を言われてるか、わからなかった。だけど、裕斗が顔を逸らした事だけで、本当なんだなと分かった。



悪いと思ってるんだ。私を騙して……



｢罰ゲームすれば、大抵の奴は諦める。逃げだ。最低だって言う女も居た。
だから、お前にもイヤな罰ゲームを言った｣



｢……｣



｢だけど、お前はなんも言わねーで。俺の罰ゲーム聞いて。なんでなんだって思ったよ｣



だけどと言って、裕斗は、やっと私の顔を見た。



｢嬉しかったよ。俺と居てくれて……サヨナラ……｣



一瞬だけ私を抱きしめて裕斗は、公園を去って行った。