確かで不確かな未来に。
クラスメートの視線が集中しているのが分かる。
仕方ない…
俺は立ち上がって黒板に近づくと、“右手で”チョークを持った。
でも…書けない。
力が入らないんだ。
無理に書こうとすると、ずきずきと痛む。
背中にたくさんの視線を感じる。
そのただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、先生は慌てながら、
「…あー、ごめん、平井。やっぱこれはお前には難しすぎたな。」
と言った。
「うわ、先生、俺のことバカにしてますね!?たまたま分かんなかっただけですよ、たまたま!」
「おぅ、すまんすまん。」
いつもなら教室に溢れ返るほどの爆笑が…今日はない。