確かで不確かな未来に。
その日、俺はあの数学教師から話を聞いたらしい担任に、放課後呼び出された。
「平井、何かあったのか?」
「いや、その…」
俺は、隠しても意味がないと思い、起きたことを簡潔に伝えた。
「そうか…それで,病院には?」
「行きました。でも、大したことないから3、4日で治るって。」
「それならいいけどなぁ。」
「だから、大丈夫ですって。」
「…分かった。わざわざ呼び出してすまなかったな。じゃあな。」
「はい。さようならーっ。」
『最低でも2週間は安静にする必要がありますね。』
――医者の言葉がふと頭をよぎる。
「…大丈夫だって。」
その言葉を振り払うように、俺はぽつりと呟いた。