確かで不確かな未来に。
大会前日。
俺はまっちゃんと一緒に歩いて帰ることにした。
「明日大会なんだよな、平井は。」
ぽつりと、まっちゃんが呟く。
「それにしても、平井、本当に大丈夫なんだよな、手首。ここのところ、ずっと部活軽めでやってたらしいじゃん。」
「ん?あぁ…治ったばっかなのに本気でやったら、どーかなっちゃうかもしれないだろっ?」
「うん、そうだよな、確かに。」
くそ…広瀬の言葉が頭から離れない…
俺はまた知らないうちに右手首を握り締めていた。
「本当に良かったよ。俺のせいで平井が大会出れなくなったりとかしたら、すげぇつらいもん。」
まっちゃんが言う。
俺は、手首を握る手をそっと離した。