確かで不確かな未来に。
「…周りが上手な子ばっかりだったから、必死で練習したの。もう、勉強のこと忘れちゃうくらい。で、初めての大会が近づいてきて、やったぁ、って。すっごく楽しみにしてたの。でも、大会の直前に…」
ふざけてた男子にぶつかられて、手首を…右手首をひねったのだという。
「……」
「わたし、本当に出たかったから、だから…出ちゃったんだ、大会。それで…もう完全に手首が壊れちゃった。」
右手首をじっと見つめる。