空色
………

答えられない。

百合は…そんな風に思ったことはない。

思えないよ。
百合と私は友達じゃないから。



「まぁ、俺が言いたいのはこんなことじゃなかったんだけどな!」


くしゃと髪を触る。

時計の針はもう4時を回っていた。


「坂田はさ…好きなやつとかいんの?」


「え?」


「…正直に答えて!」


好きな人…?


ようちゃん……?

神崎くん…?



「……いないよ」



私には…好きな人なんていないよね。

ようちゃんはもう終わった初恋。

なんで今神崎くんの名前が浮かんできたのかは…

私にも分からない。



「……そっか!」


真島くんは納得したかのような顔で私を見た。
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