ー花言葉ー

「おにぃちゃん友達のお見舞いに来たんだぁ!

いいなぁ…。玲は中々お見舞い来てくれる人いないから…。」

「え?玲ちゃんのお母さん…とかは??」

「お母さんやお父さんは玲にはいないの。

玲は捨て子で2年くらい前まで施設にいたから…。」

「じゃあその施設の皆は?」

「皆自分のことで精いっぱいだし、勝手に施設から抜け出したりしたら

後で怒られちゃうよ…。

あ、だけどね1ヶ月に1回は園の先生が、2週間に1回くらいは同じ病室にいた花屋さんのお姉さんが来てくれるの!」

どうやら玲ちゃんは物心ついた時には既に施設にいたらしく、

結構重い病気とかで2年近くこの病身に入院しているらしい。

(こんなに幼いのに…かわいそうだよなぁ…。)

(あ!そうだ!!)

「玲ちゃん!俺が毎日玲ちゃんのお見舞いに来てやろうか?

大学があるから来るのは夕方くらいになっちまうけど…。

いいか?」

しゅんと話してくれる玲ちゃんを見ていたらこの案が思い浮かんだ。

俺自身大学の後はヒマで何をしていいかわからなかったため、ナイスアイデアだと思った。

「……え?」

(あれ?!まずかったか!?!)

玲ちゃんは俺の言葉を聞いて俯いてしまった。

そしてついにはー…

「うぅ…ふっ…グス…」

泣きだしてしまった…

(泣かすつもりなんかなかったんだけどな…。

え~!!俺どうしたらいいの!??!)

子供との関わり合いがないためか対応の仕方がわからないのだ…。

「…玲ちゃん?嫌だったらー」

「嬉しい…。」

「え?」

嫌だったらいいんだよ?と、言おうとしたのだが

玲ちゃんは泣きながら嬉しいと言ってくれた。

(泣いていて嬉しいはずないだろ…。気使っててくれてんのかな?)

「ゴメンね、お兄ちゃん。私とてもうれしくて…泣いちゃった…!」

玲ちゃんの言葉に俺は驚いた。

(そしてそれほどまでに淋しかったんだな…。)

「お兄ちゃん!ありがとう!!

玲、毎日毎日お兄ちゃんのこと待ってるねっ!」

「ッ////」

玲ちゃんはとびきりの笑顔を俺に見せてくれた。





< 4 / 12 >

この作品をシェア

pagetop