ワンコ先輩とあたし。
気持ちいい……
なんか眠くなってきたぁ………
………(まって!)
(五月蝿いんだよ、離れろ!)
(お父さん!!!)
(香代………)
そのあとの声が聞き取れない。
お母さんが泣いてる。
あたしも…泣いていた。
お父さん………
お父さん………!!!!
ぴぴぴぴぴぴっっ!!!
「!?」
あたしは突然の音に驚いた。
その正体は…
「………あぁ…。」
目覚まし時計。
いつの間に寝てたんだ…
それにしても、嫌な夢をみた。思い出したくない記憶。
最悪かも……
けどあの時、お父さんはなんていってたんだっけ?
窓を見ると外は雨が降っていた。やたらと音が五月蝿い。
そういえばあの日もこんな雨だった。
あたしもお母さんも雨に負けないぐらいに泣いていて………
あれ?今あたし泣いてる?
なんでだろう……
「……………最悪……」
お父さんなんて、男なんて、大嫌い。
いつか裏切るから。
男にもいいやつがいるなんて、そんなの嘘だ。
それは表だけで、本当はいつか裏切るんだ―――
だからワンコ先輩だって……………
嫌い、なんだ。