ワンコ先輩とあたし。
あれ、あたし倒れてない。
「………大丈夫?」
「!!??……よるなっ!!馬鹿!!!」
どうやら倒れそうなところをワンコ先輩が咄嗟に支えこんでくれたみたいだ。
感謝………すべきだろうけどっっ!!!
あたしは急いで先輩の腕から逃げ出して先輩から離れた。
「香代…………」
「五月蝿い!!!」
あたしはキッと先輩を睨んだ。
「いい加減もうあたしを追いかけないでよ!!!」
先輩はキョトンとしてあたしを見ている。
「………迷惑です!!」
……言い切った。済々する。
とりあえずもう教室に行こう。もう先輩とは会いたくもない。
あたしは教室の方向に歩きだした。
「………まって!!」
突然先輩に腕を掴まれる。
「………香代、嘘だろ。」
何言ってるんだろうこの人は。
あたしが先輩のこと好きだとでも思っていたんだろうか。
――――馬鹿じゃない?
「本当に決まってるでしょっ」
あたしは先輩の掴んでいた手を振りほどく。
「男皆大嫌い!!!」
それにしてもなんでさっきから先輩は真面目な顔してるんだろう。
「いつかは裏切るような最低しかいないんだ!!」
フラれたショック?阿呆か。
「………っあの馬鹿な父親みたいにっっ!!!」
そのあとはもう何も見ないで走った。
先輩のことも、何もかも。