ワンコ先輩とあたし。
嘘と雨と本当【Ⅱ】
あれから2日後。
本当に先輩は姿を見せなかった。
…嬉しいん……だよね?
だってまた皆とお喋りとかできるし。疲れないし。
…なんでだろう、なんかモヤモヤする。
なんというか、違和感?
まさかねぇ………
「なんかこの前からずっと降ってるよねー、雨」
「うん………あたし雨嫌いなんだけどな……」
「どうしたの?なんか元気なさそうじゃん」
「いや大丈夫だよー。」
必死の作り笑い。
流石にばれたかも……。
「…話せそうだったら、いつでも相談にのるから♪♪♪」
「…ありがとう♪」
けど、ごめんね。相談できないかも。
あたしは心の中でそう呟いた。
だって、それって『皆と離れたいのかも』って言ってるみたいで…。
雨の音が五月蝿い。
はやく晴れてくれないかな………
空も、あたしも。