ワンコ先輩とあたし。
やっと放課後になってくれた。
けど…香代の教室にいってみると、香代はいなかった。
そのかわりあの子がいる。
「ねぇ、確か佐伯の彼女でいいんだよね。桃子ちゃんだっけ?」
「あ…蒼真先輩。そうですけど?」
「香代って今何処にいるか解る?」
その言葉で彼女の顔がくもった。
きっと香代も俺のこと嫌いって話したんだろうな。
教えてくれない…かな?
「…先輩、ひとつ聞いていいですか?」
「何?」
「先輩、香代が嫌がったから最近会いに行かなかったんじゃ無いですよね?」
……………。
「…やっぱりわかる?」
「先輩みたいな人がそれくらいで諦める訳無いと思って。」
凄いんだな、この子。
彼氏が佐伯なこと以外(笑)
「どうして来なかったんですか?」
「……少し考え事があってね。香代に凄く重要なことだと思ったから、俺が納得いく答がでるまで香代に会わないって決めたんだ。
今は会うだけにしてる場合じゃないと思って。」
「……そうですか。」
そう言うと彼女は安心したような笑顔を見せた。
「香代、先輩に会わなくなってから余り元気無いんです。けどその理由は本人も否定し続けてるみたいで。」
……そうだったの?
香代が?
それだけでも嬉しいかも……♪♪♪
っておい俺。
今はそれを考える時じゃねーだろ。
「香代はもう帰ったと思います。けど先輩、香代の帰り道のルートわかりますよね?」
「ありがとうっ!!」
俺は傘を持って廊下を駆け出した。
帰り道は解るけど、それは途中までなんだ。
だから…
間に合ってくれ――