ワンコ先輩とあたし。
嘘と雨と本当【Ⅲ】

▽▽香代side▽▽













…………痛くない。






なんで?

あたしいま確かに不良に突き飛ばされて、階段に落ちたはず……











「……っ、大丈夫?香代」





…………先輩!?





なんで先輩がここに!?



ていうか………








もしかして先輩、あたしが落ちる時にかばって……


自分の体を盾にしてあたしを守って……???






「おい、おまえら。」





先輩がさっきの不良を睨みつける。



今まで見たこともないし、想像も出来ない様な顔…




なんか怖い……








「ヒィッ!!!」





その顔をみて不良達は逃げ出していった。




ざまあみろっての!!!



って、今はそんな笑ってる場合じゃない。







「………先輩、はなして貰ってもいいですか?」






「いやだ」






先輩さっきからあたしに抱き着いたままではなしてくれないんですけど…





って冗談じゃない!!





このままじゃ雨で濡れるし(もう十分濡れてるけど)、第一なんで男なんかとこの状況よ!!!





…別に女なら言い訳じゃ無いからね?













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