ワンコ先輩とあたし。
…お父さん。
あたし、やっとわかりました。
お父さんがいなくなった時、あたしは悲しかったし、寂しかった。
それが辛いから、今までを全部忘れました。
かわりに、あたしは裏切られたと勝手に思って、お父さんを嫌いになりました。
…けど、本当は、大好きなんだ。
いつでも優しくて、笑っていたお父さんが。
「嫌いじゃない…です…」
気が付けばあたしはまた泣いていた。
何回泣いてるんだろう。
けど、先輩はずっとあたしの話しを聞いてくれて、あたしの頭を撫でてくれた…………
「………やっぱり」
先輩が優しく笑いながらそう言った。