ワンコ先輩とあたし。







しばらくの間、先輩は動かなかった。





……桃子の馬鹿ぁ!!!


先輩引いてるじゃん!!


どうしようー!!!






「えっと、ごめんなさいっ!何かお礼したかっただけなんです!


だから別に変な意味じゃなくて!!」



落ち着こうとしても頭のなかがパニックになってるよ~っ!!!




「香代」



「あれは桃子がこうすればいいって言ったからであってその……先輩?」









声をかけられてふと先輩に顔を向けたその時。














………ぎゅうっ








「せせせせ先輩っ!?」







突然ガバッと抱き着かれた。



顔を見ると…

なんか嬉しそう………





「香代、どうしよう……


なんかスゲー嬉しい……っ!!!」





「わかりましたからっ、

はなれて下さいーっ!」







先輩、喜んでくれた?



良かったぁ……








「ほら、だから帰りましょう!?」





「もーちょっとこのままがいいー♪♪♪」








先輩はあたしを抱きしめたまま、ずっとあたしの頭を撫でていた。















やっぱこの先輩ワンコだ…。









「香代~香代~♪」






「何ですか?」





「呼んでみただけ~♪」







「……………。」









結局、あたしたちが学校を出たのはあれから30分後でした…










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