ワンコ先輩とあたし。
………………げ…
「なにこれ……」
はなして見ると真っ黒になりそうな楽譜。
音符びっしりかいてあるよ~(汗)
「なになに、どうした~?」
桃子と恵理も楽譜を見たけれど、途端に顔がひきつっていた。
「難っ!!!」
「っつーか普通わかんないって……」
「どうしよう………」
薫が本当に困ってる。
なんとかしてあげたいけどあたしもわかんないし……
しばらくあたしが考えていたら、桃子が先に提案した。
「そうだ、先輩達に聞いてこようよ!」
あ、その手があったか。
恵理もその案にのってくる。
「成る程…先輩ならわかるかも知れないし、何より……
佐伯先輩に会えると。」
「あったりー♪♪♪」
桃子、超嬉しそう……。
そしたら恵理があたしのほうに来て、そっと耳打ちした。
「ワンコ先輩が佐伯先輩と同じバンドってこと、忘れてる?」
あ…………。
「じ、じゃああたし此処で待ってるから」
「何言ってんのよ、香代もいくよぉ♪♪♪」
そう言って桃子はあたしの腕を掴んで教室を飛び出した。