満月の銀色ススキ
納得がいかなかった。

関わったのは自分。
ススキは拒絶していた。

それでも、構わなかったのも自分。

それなのに、ススキは自分が悪いと譲らない。


「…わかってたんだ。俺の近くに居れば、俺のにおいが望月に移るってこと」


ススキは、悔やむように呟いた。

話しによると、ススキはこの土地では力のある「アヤカシ」らしい。

先刻、望月を襲ったのは魑魅魍魎と言い、「アヤカシ」より力の弱いものであるという説明も聞いた。

その魑魅魍魎は、力が弱いからこそ、より強い力を得ようとする。
その為には、霊的な力のある人間を喰らうのだという。
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