満月の銀色ススキ
残されたススキは、小さく息を吐いた。
再び腰を下ろす。
ゴツリと幹に頭をぶつける。
「どれだけ期待してるんだよ、俺…」
ススキは呟く。
そして自嘲した。
ずっと近くに居る訳ではない。
話しでは、望月がここに来れるのは残り四日ほどだ。
また、望月には家族もある。
個人の用事もあるだろう。
だが、何処かでまた来てくれると期待している自分がいる。
“あまり情をかけ過ぎるなよ?”
九重の言葉が脳裏をよぎる。
初めは自分のことを棚に上げて何の忠告だろうと思った。
だが、こうしてみれば九重なりの助言だったのかもしれない。
「もう、手遅れっぽいな…」
橙と藍が混ざった空を見詰めた。
八月はもう半ば。
夏もそろそろ終わる。
終わってしまう。
再び腰を下ろす。
ゴツリと幹に頭をぶつける。
「どれだけ期待してるんだよ、俺…」
ススキは呟く。
そして自嘲した。
ずっと近くに居る訳ではない。
話しでは、望月がここに来れるのは残り四日ほどだ。
また、望月には家族もある。
個人の用事もあるだろう。
だが、何処かでまた来てくれると期待している自分がいる。
“あまり情をかけ過ぎるなよ?”
九重の言葉が脳裏をよぎる。
初めは自分のことを棚に上げて何の忠告だろうと思った。
だが、こうしてみれば九重なりの助言だったのかもしれない。
「もう、手遅れっぽいな…」
橙と藍が混ざった空を見詰めた。
八月はもう半ば。
夏もそろそろ終わる。
終わってしまう。