満月の銀色ススキ
「みっちゃん、みっちゃんも飲みな!」
その様子を見ていた望月に、酔って気分を良くしたおじさんが焼酎のコップを渡した。
みっちゃんというのは、親戚だけが望月を呼ぶあだ名だ。
(…私、まだギリギリ未成年なんだけどなぁ……一応)
苦笑して、それを受け取った。
付き合いだと、一口だけ口に含むと、苦さに顔をしかめた。
飲み込んだ瞬間、焼酎のにおいが鼻を突く。
キュッと喉が締まり、焼けるように熱かった。
(不味い…)
こっそり舌を出すと、誤魔化すように先に飲んでいた烏龍茶を煽った。
もう一杯、コップに注ごうとして固まる。
恰幅のいいおじさんが踊りながら脱ぎ始めたのだ。
慌てて目を塞ぎ、逃げるようにその場を離れた。