君の肩越しに見えた景色【短編】
誰も信じない
「はぁ~い、みんな集まれ!」
体育館に鳴り響く先生の声
「これからバスケの試合を始める。みんな各自チームを組んで試合を頑張るように。」
「「「はい」」」
「はい、じゃあ、始め!」
「ねぇ、一緒に組もう。」
「いいねぇ~」
ザワザワザワザワ……
アタシの目の前で、幾つものチームが出来上がっていく。
だけど、アタシには関係ない事。
誰もアタシの事を誘う人がいないから。
「おい、酒井、お前も参加しろよ」
なんて先生は呑気に言うけど
先生、気づいてないんですか?
アタシがこのクラスにとって
何の存在もない
透明人間だって事を。
あなたの目は、節穴なんですね。
先生。