君の肩越しに見えた景色【短編】
脳天気男の真実
ずっと唇噛み締めて下ばかり見ていた…
見慣れたコンクリートの色
冷たくて…まるで全てが灰色の世界に包まれているみたい…
「愛子…」
「気安く名前呼ばないでよ。」
「俺の顔、見ろよ…」
「なんでよ……」
「いいから!!俺の顔、見ろよ!!」
「イヤだ!」
「どうして?」
見れる訳ないでしょう…
だって…今…アタシ…
「いいから!!見ろよ!!」
腕…強く引っ張られて
体…抱きしめられた…